綺麗で中身の無いプレゼンが経営陣はお好き

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社内失業中ではあるが、一応所属している部署名というのはあります。社内で左遷されようとも少なくとも部署名ぐらいはあるものです。そうでなければさすがに今時ではパワハラ扱いされるかもしれません。
我々は海外向けの事業開発部なのですが、会社があまり本気になっておらず予算があまりありません。月に一度、開発部の部長が経営陣の開催する開発会議に進捗状況を発表することになっています。
月に一度のペースはかなり頻繁で、正直いって我々の部署では常に変更無し以外は報告の仕様がありません。別の開発部で行っている開発を発表してもらって、たまに進展があった場合には我々が発表するという手順となっています。
社内失業中と言っても月間で考えれば我々はそれなりに成果は出せます。
経営陣にほとんど仕事をしていないことを気づかれないように資料を整えます。
自信をもって発表する部署も同じような状況なのですが、パワーポイントをそれはそれは見栄えがよく作るように要求があります。
無駄なアニメーションや下手をすると無駄な効果音までいれろと直属の部長は指示します。

派手なパワポとはったりプレゼン

わが社では、その事業がどれだけ経営の向上に効果的だとか、収益が上がるかだとかは関係がありません。どれだけ横文字を使いながらデザインが優れていて発表の時間の間だけもっともらしい案が好まれます。
とにかく短時間でカラフルで分かりやすく、です。さらにこうなったら儲かるまでついていれば最高です。

パワーポイントで白黒の表を作っていたら、プレゼンのチェックの時に部長から「カラーを使って見やすくしろ。」と言われました。

色付きの表じゃないと修正させられた…。

たいした手間ではないのですが、内容ではなく、いちいちつまらない事を調整しながらやる必要があり面倒な話です。結局どこの部署の報告も見栄えがいいだけの経営陣むけのプレゼン合戦となっています。

プレゼン能力だけで抜擢される悲劇

社内のプレゼンでパワーポイント使用禁止とする企業が増えていますが、当たり前です。数分間だけ目を引き付けるきれいな絵と発表者に都合のいい未来予想図をさも自信ありげな発言に経験豊富なはずの経営陣がコロッと騙されます。「彼のプレゼンは上手だねぇ」といって若くして人事部の部長職に引き上げられた若手抜擢氏がいました。わが社の部長職はそれほど権限は無く、残業までつきます。要は経営に携わるような管理職ではないのですが、それでも部長職になるのは大変ですす。大抜擢人事でしたが、親会社の社長に気に入られていたこともあり皆の注目の的でした。しかし、しばらくすると口だけのお調子者であることがばれてしまいました。プレゼン上手ではあるのですが、知識は薄っぺらいし本質を理解できていないような発言を連発します。
結局、若手抜擢氏は、現在は工場のライン勤務となっています。生産管理とか品質管理で雇用された社員の場合は違いますが、人事とか庶務の事務方の人間が工場ラインに入らされる場合は、大抵「やめるならやめれば?」という意思表示です。事務仕事しかしてこなかった社員達に埃にまみれた(様に見える)工場で作業するのはかなり苦痛です。
それでも辞めても次の行き先がないし…。とうことでそのままおとなしく工場のラインに入る社員が結構います。何か秀でた能力があれば、いっそのこと転職してしまえばいいのではと思います。私の場合はどうなの?と言われると反論はできませんが…。

いつまで誤魔化し続けられるか

もしかしたら何かの役に立ちそうだからと、ほぼ機能していない社内失業中の部に割り当てられ、年下上司氏の元でヒマを持て余して日常を過ごしているのが現状です。
何か月かに一度回ってくるプレゼンをとりあえずやり過ごせばまた、いつもの怠惰な日常が返ってきます。下手に注目をあびずに、それなりの資料を作り続けることで生き残りを図っています。
後は経営陣に我々の無能さがばれなければ、あと数年は生き延びることができそうです。
もしかしたら工場のラインに入れと言われるかもしれませんが、定年まで残りどれくらいかで辞令があるかで決めたいと思います。

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