中小企業の求人の「即戦力」は気にせず応募

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中小企業にはそもそも人材が集まりません。好不況にかかわらず、人手不足の業界というのは存在します。
部署にはよりますが、わが社の様な工場は職人の数は常に不足しているといってもいいでしょう。
人事の部長と昼食を一緒にとっていると、求人に関して尋ねられました。
業績はそれほど上がらないのだが、計画的に工場内の社員を増やしていきたい。だが、高校に求人を送ってもなかなか増えていかない。中途採用も考えているのだが、職安に求人票を送っても中々いい反応が返ってこないらしいです。求人内容はどんなもんかと確認してみると「経験者優遇」「即戦力を求めている」の文言が…。

人事部の方ではどのように考えているかわかりませんが即戦力を必要としている印象を与えるのはマイナスでしかありません。なんでこんな風に記述しているか問いただすと、できれば工場での教育をしないですむと楽だと工場内のリーダーから意見があったとの事です。
どういう人材が工場で欲しいか工場作業員と打ち合わせの機会をもち、話し合って求人に記載する内容を決めたと言ってました。工場内のリーダーは人材が欲しいと言えばもちろん教育の手間がかからない経験者を欲しがるに違いありません。工場作業員に聞くこと自体が間違っているわけではありませんが、彼らはかなり視野が狭いので、ある意味思い付きで理想的なことしか言いません。

経験があれば教育しなくて楽だなぁ~と思っていてそれを反射的に口にしているだけで大して意味はありません。頭にうかんだから意見を述べているレベルを管理者は真に受けてそのまま求人票に書いてしまいます。その求人票を見る人の気持ちも考えずに…。
マーケティングなどで購買層の予想をするのに「どんな人間」を想定するかということがあります。ペルソナ設定などと言われることが多いのですが、この設定が非常に甘いのです。
どんな人が興味をもってくるのか、どの程度の人間がくるのか想定せずに考えずに求人票を送ってしまうので「オレ経験者じゃないし、即戦力は自信ないよなぁ」と思われたら応募などしてくるはずがありません。

もちろん大きな企業の場合は英語とか、マネジメントの経験などを要求する場合があります。人材の乏しい中小企業の場合はとにかくどんな人でもとりあえず欲しいということがありますので「即戦力」と言う言葉にあまり気にしなくてもよいでしょう。まずは連絡をしてみて、面接までたどり着けば落とされる理由にはされるかもしれませんが、チャンスはあると考えるべきです。
わが社の求人票は即戦力と言う言葉は無くして、未経験でも大丈夫という言葉を入れなおしました。問い合わせは数件きたそうで、人事部の部長も一安心しているようでした。

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