働き方改革や高能率化で削られるココロ

Pocket

業界によりますが、景気が良くなってきているとはいえ給料はそれほどあがるわけではありません。
製造分野ではロボット化や省力化が非常に進み、高能率化している場合が多いです。働き方改革も働き方の高能率化を進める方法の一つという言い方もできるでしょう。今は過渡期なのかもしれませんが、高能率化、省力化というのは人が働く時間を減らすことができるということです。残業を減らす方向に進んでいき、会社の経営としては喜ばしいことなのでしょう。しかし、月に何時間かの残業をもらうことを前提に働いている人からすると、実質的な給料減ということになります。
工場勤務と言うのは資材の購入などが必要なタイプもあります。自動車のように同じタイプの製品を大量に生産するような工場や多品種少量生産の工場などいろいろなタイプに分かれます。多品種少量生産の場合はある程度の資材も確保しなければならず、工場の置き場所に限度がある時には、資材の搬入をオンタイムで行わなければなりません。
資材購入担当氏はあいさつするぐらいでさほど仲良しというわけではありません。資材の購入タイミングを調整して連絡を入れるのでいつも忙しそうです。働き方改革を進めているわが社でもそれに逆らって土日などの休日も出勤しているとの話です。
社内失業者の我がグループに対して存在価値があるのかと吐き捨てるように言ったとか言わないとか…。そんな噂が流れてきていたところでした。

働き方改革は高能率化

高能率化とはお金の節約、オンタイムでの運用ということになろうかと思いますが、資材を購入したら工場のどこかに置き場をつくらなければなりません。その置き場だって有限です。何か月も先に製造する資材を置いておくのは不経済です。ところが納期は簡単に変わります。平気で1か月とか伸びたりするのです。
ウチの業界では頻繁にそう言うことがあり、計画的な資材購入は難しいため、どうしても担当者の労働時間に依存してしまうところがあります。時には、予定通りにいかず資材を供給元に保管してもらうことがあります。
高能率化は資材の供給元であっても同じで、いつまでも自社で保管したくありません。こちらに早く搬入させてくれと催促の連絡が来るようになりました。
最近では、各社の方針で当初の打ち合わせで決めた工場への搬入日を2週間くらい過ぎると「すぐに資材をひきとってくれませんか」という催促がくるようになっているそうです。「もしひきとれないのなら保管はするが保管料を別途請求します。」とまで言い出す会社もでてきたとのこと。
工場内の職人というのは、自分の身の回りの製作だけは自分で考えた能率的な方法でしたがります。自分がこうしようと考えた時に材料がなければ資材購入担当氏にすぐに文句を言いに行きます。

能率はいいけど非人間的

以前からこういう状況はあったのですが、資材の供給元と工場の職人をうまくあしらうのも購入担当者の手腕でしたが、限界だったようです。
先日から管理者とは打ち合わせをしている様子で、打ち合わせ終了後はとても落ち込んだ顔でいます。どうやら抑うつ状態だと心療内科で診断され、休職することになってしまったようです…。
納期や予定は最短で計画し、実行することが最も重要です。それは間違いありません。十分に徹底できないので残業が発生してしまうこともあります。
ただ、それはブレーキやアクセルのアソビのような部分でもあったのではないでしょうか。ギリギリに切り詰めた状態でのビジネスは、精神的に弱い人や神経質な人ではいつか限界がくるのではと思わされました。
効率を究極的に追い求め、残業ができないので給料が下がるスパイラルになりかねない事態がきているように思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする