会議で効率化ができるのは理想の中だけ

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わが社も新型コロナウィルスの影響を大きく受けたわけではないのでが、業績が徐々に悪化してきているようです。2021年の1月以降については、基本的に工場では残業しないということで工場長たちに方針がでたようです。
仕事には納期があり、計画どおりに推移しなかった場合で納期に間に合わない場合は残業しなければなりません。
上の通達に逆らわない人たちが管理者になっているわが社では、こういう場合は納期を遅らせてでも残業を無くす方向にもっていきます。顧客よりも自分の上司の方が怖いのです。
以前は事務側はサービス残業が基本にし、工場内の人たちにサービス残業を要求しようものなら暴動が起きかねないので、その分だけは目をつぶって経営陣の嫌味攻撃に工場長たちが耐えるという作戦をとっていました。

経営陣は、経営会議で各部署からあがってくる報告の数値しかみません。実際に工場がどういう状況であるのか把握はできないのです。社員が不満を持っているのか、充実して働いているのかも無頓着というか関心が無いようです。昔堅気の工場経営者は、時間があれば工場の中に入り、実際に働いている工場の社員の仕事ぶりや、目が合った時にあいさつをしてくれたとか元気そうじゃないとか社員の様子を観察する人も多かったです。最近では、経営陣は工場にさえ勤務しておらず、会議も東京でTV会議を通じて行い、資料も無意味に色をつけた見栄えだけはいいパワーポイントの資料を使用して行われます。

工場の実情を工場長が説明しても計画通りではないとか、労務費がかかりすぎているので削減をしか言いません。最近では、「会社は株主のものだ。」が口癖です。
利益は、株主に還元することが一番優先されるべきことで社員は二の次なのだといわんばかりです。さすがにはっきりとそれは明言しませんが、態度からはあきらかです。
本当は株主のことなどどうでもいいのですが、そう言って締め付けておかないと今度は自分たちが株主や親会社のオーナー一族から経営の収支があっているか、利益がでているかを詰められてしまうので厳しい言葉をなげつけるのです。
実際に工場に入ればいやでも人に会いますし、話を一言二言しなければならないこともあります。人情を挟んで数値しか見ずに経営をするのは難しいでしょう。

余計な情報に惑わされず、冷静な判定をくだすには、どうしても書類上の数値になってしまうのはしょうがないと思います。そこに感情がこもらないはずなのですが、工場長や工場で製造をしきっている人たちには「怒られたくない」「煩わしい質問を受けたくない」という感情がはいってしまっています。
噂では、コロナも流行ってきているので、交代勤務にするという話も広がっています。納期にさらに間に合わなくなりそうで、製造管理の担当者はユウウツな顔で工場を回っています。

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