経営者感覚を持てと言う呪い

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上司は「けいえいしゃかんかく」の呪文を唱えた!

朝礼なぞ無意味!と朝の朝礼やその他の無駄と思われるようなことが廃止になっていきます。大変結構なことではあるのですが、「仕事だけしなさい」「仕事以外の余計なことはしないでください」というメッセージを感じます。
世の中を渡っていくには仕事の高能率化だけではなく、たまにはサボっちゃえというような余裕が必要だと思うのですが最近のわが社の経営陣は仕事至上主義のコンサルに洗脳されたのか英単語を使いながらよくわからない説明をします。「ダイバーシティ」とかね。意味を分かって使っているのでしょうか。他業種と交わって新しい発想をというわりには、年度末なると決まって無駄な出張は極力しないようにという通達がくるのが恒例行事です。年度末の決算でいい数字が出せない場合は、当該年度にしはらう費用を来年度にもちこすようにということです。親会社と株主様に向けていい情報を伝えられるようにしないと経営陣のメンツがたたないので、社内には「余計なカネ遣うんじゃねーよ」とプレッシャーをかけてきます。

「今年度は出張を控えて、次の年度に持ち越すことにしましょう」というのがわが社の恒例行事のお達しのようです。結局根本的なところを解決せずに目先の銭勘定のみにあたふたするので最後の帳尻合わせに苦労する…。
業務改善はこういうところを改善すべきだと思いますが、社員からは経営陣はどうせ聞く耳をもたないと思われているので、みんな内心では違う方向を向きながら指示にしたがう振りをしています。真面目な社員ほど、上司の言うことに本当に真面目に対応しようとするので、気の毒になるくらいです。顧客から何度も打ち合わせがしたいと電話がきているのに、出張申請ができないのでメールや電話ですませようと一生懸命言い訳しています。「4月になればなんとかなるのですが、あいにく今年度中はスケジュールがあわなくて…。」ペコペコしながら日程調整をしています。

年上上司氏に無駄だと思いましたが、「必要な出張は時期に関係なくするべきではないですか!」と平社員特有の無責任発言をぶつけてみました。
課長以上が集められて何やらお話があり、呪文を唱え始めました。
「社員のみなさんも経営者感覚をもって業務を遂行していただきたい」です。
年下上司氏は洗脳されたように夢見がちなに語り上げます。
「僕たちもやっぱり「けいえいしゃかんかく」で仕事をしなければ!」
都合の悪いことは聞こうとせず、自分の都合のいいことはさも平社員もやって当然というように言ってくる経営陣にはあきれてしまいますが、そういうことを繰り返すたびに社員の士気を削いでいるのに気付いてほしいです。

こういう「経営者感覚」などと言い出す経営者はかなり無責任だと思った方がいいでしょう。要は社員の意識が低いと経営陣が考えているということです。「オメーラ! 我々と同じ感覚で物を考えろよ!」と。でも考えてみてください。部長とか役員は我々よりも給料が高いのです。会社の経営はあんた達が考えろよと思ってしまいます。

「経営者感覚」
我々平社員がそんなことを重要視するわけありません。「定時で帰るよりも1分でも残業を」が我々平社員の合言葉です。理由をつけてお金を稼ぎたいのです。
ずれている感覚を調整しないのに無責任な「えいえいしゃかんかく」の呪文を唱えだすと平社員はとてつもなくレベルアップしてしまいます。
てててれってってって~♪(ドラクエのレベルアップのつもり)
ひらしゃいん はレベルがあがった。
「ちゅうせいしん」が3さがった
「きゅうりょう」が2さがった
「ふくぎょう」をおぼえた


しばらく経つと能力がある人間で、不遇の立場の人間が次々と退社していきます。基本的に上役に対して太鼓持ちの様にすりよる人間が出世するのをみて、能力のある人は別の会社に自分の能力を発揮できる場所を見つけるために会社を卒業していきます。
転職先が必ずしも要望が通るとは限りませんが、銀河鉄道999の鉄郎の様に機械の体がタダで手に入る星に行けるというような夢がみれればどんなに少ない可能性でも賭けてみたいと思うのが出世競争に負けた人間の矜持とでもいうものではないでしょうか。夢をみるのはタダなので。

てててれってってって~♪
ひらしゃいん はレベルがあがった。
「むだんけっきん」が2あがった
「ちこく」が2あがった
「たいしょくねがいのかきかた」をおぼえた !

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