仮定という想像ができない想像力

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Fラン学生は「ある数」の想像が苦手

数学というよりも算数に近いと思うのですが、学ぶのは中学の2年生ぐらいなので「数学」の能力と呼びます。Fラン学生は、具体的な数字の問題(1mとか5㎏とか)であれば何とか理解するのですが、「ある数x」となると急に理解ができなるのです。例えば「時速5㎞で2時間歩いたら、何㎞歩いたでしょうか?」と問われれば、10㎞と答えることができる学生が多い。

ところが、一通り時速5㎞で、2時間だよね。だから5×2=10だよ。答えは10㎞だよと説明してあげて、じゃあ「時速x㎞で3時間歩いた距離を求めよ。」だったらいくつになるかな?と聞くと途端に目がキョドりだす。もう~なんでわかんないんだよう~(T_T こういう「置き換え」の能力がとてつもなく低い学生が何人もいた。初めの簡単な説明の時は「先生なに小学生に教えるレベルのこと言ってんの?」みたいな態度をとるのだが、ちょっと数字変えるともう理解できないようです。xは実際の数字ではなくて、どの場合でも通用するように具体的な数字ではなく、xという文字に置き換えているのでxと示しているということが彼らの思考能力からはずれているように見えます。

想像力がとにかく無い

高校で学ぶ数学を実生活で使うことは、計算をメインで行う業種でなければ使う機会は限られます。だからといってここまで数学ができないのは文系、理系関係なく問題になるはずなのです。
なぜここまで「応用」ができないのでしょうか。基礎を覚えたらその知識を使って数値や条件が変わった時にも対応できる能力が信じられないほど低いのです。
仮定という概念がそもそも理解できていないのではと思うこともよくあります。英語でも仮定法の文法は難しいですよね。「もし私が鳥だったら~」とか。

中学で習うことができないのだからSPIが解けない

大学の時は無理やり単位をなんとか取得させますが、結局就職活動が始まってSPIなどの試験を受けるようになってからが最悪です。中学数学のレベルがあやしいのだからまともに解けるはずがない。かたっぱしからエントリーシートが通らない。それに気づいてからではもう遅すぎるのです。
まともな企業から相手にされません。どうすればいいのかわからない。結果的に彼らが選択するのがだれでもできる仕事です。Fラン以外の大学で人気の一部上場企業は完全に相手にされず、SPIが問題になる企業からはペーパー試験で落とされます。
ここにきて意外に理系の方が壊滅的に勉強できなくてもなんとか就職が決まるケースが増えてきました。エンジニアとしては相当アブナイところですが、入社させてからなんとかすればよいと考えている企業が多そうです。

面接まで行けるのは、SPIなどの学力はとりあえず実施するもののほぼ関係ない企業に限られてきます。
それでも日本の多くの企業はそれほど大学時代の学力には期待していないようにみえるので、二次試験以降に進めます。
Fラン学生の大半はそれでもどこかに就職は決まります。
就職活動を始める前にはちゃんと勉強しないとひどい目にあうぞと脅すのですが、それでも何とかなってしまいます。
若い労働者は安く酷使できるので、うまくだませば経営者にはとても都合が良いのです。

想像力が無い人間は反対に扱いやすい?

想像力が無いということは、将来を深く考えないことにつながります。単純に好きか嫌いかで判断し、仕事を辞めたらとかこれをしてしまったらということを思考しないということです。思い切って何かをしようとする時には何も考えないことも必要ですが、「自分が今これをやったらどうなるのか」ということも十分検討する必要があるでしょう。
思考の時間を与えずに酷使するのはブラック企業の常とう手段です。仮定して物事を考えるのが苦手な人は誰かに騙されていないか要注意です。

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