ネットワークビジネスにはまるFラン学生

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ネットワークビジネス=マルチレベルマーケティング

ある日の休日のことです。
お昼に何を食べようかと考えていて、近場のファミレスに入ることにしました。案内されて座った席の近くに若い人たち三人で、何やら熱く語っていました。熱く語っているのは一人で他の二人はどうやら聞き役の様です。

「スゲーんだよ!!」
「50万円払うだけで絶対に儲かるって!!」

詳しく聞きたくなりますよね?
ところが顔をみるとどこかでみたような記憶があります。ああこいつら私が教えていたクラスの学生だ…。辞める一年ほど前に講義を担当した学生達でした。
たしかかなり成績が悪くて、不可をつけるか迷ったよなあと思いだしました。

ちょうどその時は休日だったので、ジャージを着て帽子をかぶり、当時とは眼鏡も変えているので、私とはすぐに気づかないようです。どこかのオジサンが近くの席に座ったぐらいにしか認識していないようです。
Fラン大は講義の時に前に座る学生はほとんどいません。後ろの方から埋まり、前の席は遅刻してくる学生がいやいや座るくらいです。どうでもいい一科目を教えていた教員の顔など覚えていないかもしれません。

どうやら熱弁している学生は、情報商材を売ることで利益を得ることができるマルチレベルマーケティング(MLM)に参加をしているようです。

マルチレベルマーケティングとは

マルチレベルマーケティングはMLMと略されます。
基本構造が同じなため、 ねずみ講とよく混同されています。
商品の購入者が販売員となり自分で消費者を探し、商品が購入されるとマージンが手に入る仕組みが一般的です。さらに消費者を自分のグループの販売員とすることで、自分のグループの下の販売員の購入分もマージンが入ります。さらにその消費者を販売員に…と階層構造をもつ販売員と消費者との関係を構築するのが特徴です。

マルチレベルマーケティングは、「マルチ商法」「マルチまがい商法」などと呼ばれていたこともあり、最近では「ネットワークビジネス」と呼ばれることが多いようです。
「ネットワークビジネス」と言われたらちょっとかっこいいですよね。
マルチレベルマーケティングそのものは、小売り販売のビジネスモデルの一つであり、仕組みそのものに問題があるわけではありません。
お金しか関わらないまたは金銭的な価値の低い商品を形だけ関わらせるようないわゆるネズミ講は、無限連鎖取引で違法となっています。

ネットワークビジネスは、存在自体が違法というわけではなく、合法であり、不労所得を得るための方法の一つと言われています。
ところが商品の紹介ビジネスなんかは、簡単にできるわけがありません。社会経験が少ない大学生はハマりやすいと言われていますが、ヒマで物事の理解力がとてつもなく低いFラン学生たちは簡単にだまされます。

途中の苦労を想像できない

Fラン学生の思考は単純なので、成功者(と思われる人)が目の前にいると、すぐに自分も同じようになれると考えてしまいます。さらにスマホをいじるのは大好きなのに、検索して調べることをしません。自分が聞いているビジネスがマルチレベルマーケティングという以前からあるビジネスモデルの一つだということも理解できずに、一挙にお金持ちになった自分しかイメージできません。
情弱(情報弱者)という言葉がありますが、まさしく彼らに当てはまります。

大学側は、マルチとか宗教とか問題が大きくなると注意喚起を始めますが、学生の自主性を尊重するという建前があるので素早い対応はできません。

冒頭のFラン学生は、仲間を増やすことができるでしょうか?話が長引きそうで、一時間を超えてさらに熱弁しています。「絶対もうかる」の同じ表現のループになってきましたが…。興味があったのですが、残念ながら用事があったので彼らの勧誘が成功したか確認できずにファミレスをでてしまいました。
最終的に彼らが成功できるのか、失敗してしまうのか。若いうちは取り返しがつく失敗はしてもいいと思うのでがんばって欲しいです。

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