常識が無いことでは有名なFラン大学生は、自分の非を認められない人間が多く、時に扱いが非常に面倒くさいです。
自分は意識高いと思っているのですが、基本的な知識量や才能が常人と劣っているので簡単に騙されます。意識高いと思っている学生は大抵「意識高い系」でまるで自分が世界の真実を知っているかのように振舞います。
就職活動をしている学生の志望調査を4年生になる前の3月に行います。就職担当の先生と一緒に学生の要望を聞き、どういう会社から資料がきているかを説明してとにかくマイナビやリクルートなどに登録して自分が就職試験を受けたいと思う会社を見つける様に指示します。大抵の学生はとりあえず登録はしてわずかずつでも就職活動を始めるのですが、最近ではかならずフリーランスになりたいとか起業したいとか妄想を話し出す学生もいます。
「先生は〇〇を知ってますか?理解できていますか?私はすごくヤバいと思って調べているのですが、どうせ知らないのでしょう?」何が「ヤバい」のかさすがに知らないけれどよく話を聞くと大抵アブナイ金儲けの話だったりします。普段は仏のような心をもっていて、Fラン学生に接している私ですが、ろくに調べもせずに簡単に詐欺まがいの勧誘に引っかかる意識高いFラン大学生にはイラっとしたて攻撃的になってしまいます。
「先生のような中年には世の中の最新の仕組みはわからんのですよ。」
ジオングに足が無いのを理解できないエライ人のような言われ方をしてイラっとします。最新の仕組みは確かによくわからないし、TikTokを何かに取りつかれたように見ることもしません。
「若くないと理解できないことってあると思うんですよ。ビジネスは若いうちに始める方がいいと知人から言われます。絶対お前は起業した方がいいって。」
誰だよそいつ…。お前台形の面積も計算できないじゃん。数学だけじゃなくて他の科目も壊滅状態でお情けで可の単位をもらってようやく4年生に進級した状態なのに…。友人でもなくて「知人」かぁ。どうせ誰でも簡単にお金が設けるシステムがあるとか言われて騙されているんだろうなぁと考えてしまいます。
頭が悪くても人生から足を踏み外すのはかわいそうです。
「そのビジネスって怪しいんじゃないの」
「あやしくなんかないですよ。新しいビジネスの形だって言ってます。SNSで希望者を募り、みんなでプログラムを勉強するんです。エンジニアってすぐに1000万円の年収も可能だって知人から聞きました。普通、そんなに給料がもらえる会社はないですよね?だからオジサン達には理解できないからお父さんやお母さんに言っても反対されるって。」
またかよ…。自分じゃ最先端と考えているかもしれないが、プログラムを学んでフリーランスでエンジニアかぁ。いつからプログラマーをエンジニアと呼ぶようになったの?そんなに高収入なのか?だってお前IF文も理解できないだろ?
別にプログラマーになることを反対しているわけではなく、いきなり新卒でフリーランスになることを反対しているのを理解させ、まずは企業に就職した方が後々有利であることを1時間くらいかけて説得しました。
ようやく「少し考えてみます。」との返事。
Fラン大学の場合、安易に楽な方向に進むのを止めるのも就職担当の仕事の一つです。